地域創生学ゼミナール(出川ゼミ)

地域創生学ゼミナール(出川ゼミ)

「出川ゼミ」では、教育・学習・人材育成を共通の関心事項としながら、多様な研究・実践活動に取組んでいます。

所属ゼミ生の取組概要


横山拓巳
「スポーツと伝統文化の結びつきがもたらす地域づくりの可能性」

キーワード スポーツ、歴史、自然、文化、観光
【メッセージ】
 スポーツと地域に根差した伝統文化の結びつきが、どのような地域づくりの力を生み出すのか研究していきたいと考えています。
 スポーツが地域の様々な歴史・文化的遺産と融合することで、様々な面で地域づくりに寄与する相乗効果を生み出せる可能性があるのではないか。海外では2024年のパリ五輪でヴェルサイユ宮殿を馬術の会場として活用することが話題になっていますが、こうしたことは単なるスポーツ振興にとどまらない教育的・文化的インパクトをもたらすものと考えられます。
 スポーツと文化の双方のつながりあいに着目しながら、そこで起こる人々の新たな学びと意識変化、活動にかかわる人々や組織の育成のあり方について研究していきます。

百瀬海翔
「中長期的滞在と参加は地域の新たな魅力を生み出す力となるか」

観光 宿泊、参加 地域資源 体験 スポーツ
【メッセージ】
 中長期的滞在・参加は、地域づくりの基盤となる理解と共感のダイナミズムを生み出す上で、重要な営みではないでしょうか?
 数年前までの日常と異なり、屋内で生活する割合が増えた昨今、あらためて観光地の魅力を引き出そうと模索されています。特に、その場限りのスポット的な訪問形態だけではなく、宿泊しながらじっくり深く地域を体験してもらおうとする動き(「滞在型観光」)が活発化しているように見えます。
 観光客誘致や宿泊業の後継者不足といった課題解決を見据えつつ、じっくりと滞在し地域に様々な形(各種体験やスポーツなど)で参加することにより、観光が単なる物見遊山を超えて、地域づくりの学びや人々の愛着を生み出す可能性を拓くことができるか、研究していきます。

山口昌登
「組織的つながりが生み出す学びによる人材育成と地域づくり-プロスポーツとボーイスカウトの教育学習機能-」

プロスポーツ ボーイスカウト 人材育成 地域づくり
【メッセージ】
 組織活動がつながりあうことによって、人と地域を育てていく大きな力となることに注目しています。
 特に近年プロスポーツ組織は地域の様々な活動とつながって、新たなファン層を開拓しながら地域の元気を生み出しています。また、ボーイスカウト活動は、世代間のつながりを組織的に創り出す仕掛けを行いながら展開され、人材育成面で注目される成果を上げています。
 こうした組織的なつながりが生み出す学びによって、人と地域をいかに育てることができるのか、自らも参加する実践の現場から探求していきます。

春日れな
「里地里山の保全・活用と継承-狩猟文化とジビエに着目して-」

里地里山 担い手育成 狩猟文化 ジビエ ふるさと納税
【メッセージ】
 里地里山は日本の原風景としての貴重な知恵と技術、恵みの宝庫です。しかし、過疎化・少子化の中で、保全・活用・継承が困難な状態となってしまいました。担い手育成やそのための新たな教育・学習が求められています。
 特に近年、食害や獣害が問題となる中で、それを防いできた側面を持つ狩猟文化に着目したいと考えています。狩猟文化かかわる教育・学習のあり方からジビエやふるさと納税など新たな方策にいたるまで多方面にアンテナを張りながら、里地里山の魅力と価値を引き出し、後世に伝えていくことにかかわる研究・実践にチャレンジします。

鈴木雅彦
「スポーツによるソーシャルキャピタルの創造可能性」

スポーツ、コミュニティ ソーシャルキャピタル 地域社会
【メッセージ】
 スポーツ活動は、地域社会を元気にするために不可欠なソーシャルキャピタルを創造する力を秘めているのではないでしょうか。
 市民や地域のつながりといった社会全体の人間関係の豊かさは、子どもの教育や近隣の治安の向上、地域経済の発展などの波及的効果を生み出すものとされています。
 地域の人々の関係をスポーツによって活性化させることによって、地域社会の社会活動が活発化できるのか、スポーツと地域社会のソーシャルキャピタルに着目した研究をしていきたいと思います。

遠山陽
「アウトドアライフの可能性-人と地域を育てるか?-」

アウトドア、ライフスタイル、地域コミュニティ、暮らしの充実
【メッセージ】
 自分の憧れでもあるアウトドアなライフスタイルが、本当に人生を豊かにすることが出来るのかを研究していきたいと考えています。都内近郊の出身で地方に行く機会があまりない私にとって、海や山などの自然と接すること自体が非日常体験で魅力に満ちたものです。
 自然に根差した活動を生活に組み込むことによって、どのような学びが生じるのか、そしてそれが人々にどのような意識変化をもたらすのか。そして、そうしたことが、その人らしい成長や発達、暮らしの充実に結びついていくのか、アウトドアライフをキーワードに探求していきたいと考えています。

伊藤博保
「みんなが居心地いいと感じるコミュニティをいかに育てるか」

地域社会、コミュニティ心理学、コミュニケーション、地域回帰
【メッセージ】
 コミュニティの雰囲気などから感じる居心地の悪さは、個人の幸福感を低下させ、地域づくりの基盤となる力が弱めてしまう原因となるものではないでしょうか。こうした心理的問題の背景となる個人・社会両面のメカニズムに着目します。心理的問題解決を行いつつ地域づくりのダイナミズムを生み出すようなアプローチ方法について、心理臨床的な方面から研究したいと考えています。
 地域社会に人々を呼び戻しながら、みんなが居心地いいと感じるコミュニティを実現していくために、現場に根差した研究を進めていきます。


江原彩珠
「地域に根ざした子育て支援とコミュニティづくり-公園における多様な学びのあり方に着目して-」

子育て支援、公園、子ども、多様な世代、地域コミュニティ
【メッセージ】
 地域が主体となってできる子育て支援として何があるのか、そして、多様な世代が共に発達する地域づくりの場をいかに実現していけるか研究していきたいと考えています。
 特に、身近な親戚の子育ての場面で、子どもと遊んだ経験から公園の機能と役割に注目しています。多様な世代が安心安全に利用できるようなルールやあり方を考え、交流から様々な学びを得られるような地域の公園を実現するにはどうしたらよいのか。
 立地によって公園ごとにルールがあると考えられますが、地域住民が共に見守り助け合いながら、公園を地域コミュニティの場(居場所)として育てていくための方策を模索していきます。


阿部雄大
「地域資源を活用した教育・学習活動」

地域教育、キャリア教育、Uターン、自然、継承
【メッセージ】
私は、地域資源を活用した教育・学習活動とキャリア形成への関りについて研究しています。私自身、1年次に地域実習として長野県小布施町を訪れた際に、地域住民と学校が連携して地域資源を活かした教育に力を入れている点に感銘を受けました。そこで私は、「どうやって地元愛は形成されてくのか、教育は人から教わるものだけではなく、固有の自然や風景、文化などの目に見えぬもの、何も言わぬものから受ける教育もキャリア形成やUターンの契機に大きく影響しているのではないか」と考えるようになりました。
今後、地域教育についての研究を進めていきたいと考えています。


鎌田美来
「誰もが参加できる福祉のまちづくりと学び」

子ども、高齢者、多世代交流、共生、福祉教育
【メッセージ】
地域コミュニティの希薄化により今後地域にどのような影響が出るのかを研究していきたいと思っています。その中でもコミュニティがなくなることで高齢者が社会的排除を感じることでより孤立化が進んでしまうのではないかと思い、誰でも参加ができるまちづくりのあり方を考えていきたいと思いました。同様に子どもも学校や課外活動などの限られた交友関係になってしまっている可能性があるので、多世代交流があることでの効果について学んでいきたいです。


高梨育臣
「継続在住民と移住者が織りなす学びを見つめる-地域の継承と変革を考える- 」

成人教育、社会教育、移住者、地域づくり
【メッセージ】
私は、地域住民や移住者間の関わり方や地域づくりを教育学(成人教育)の視点から研究しています。私自身、大学1年生の時から、全国様々な地域やフィールドを訪れ、地域住民や移住者双方の方々と交流や活動を重ねて、地域づくりを推進するには人々の学び合いが必要だと実感しました。みなさんにも、ぜひ全国様々な地域を訪れ学びを深めてほしいと思います。私もこれからも学生であり実践者でありたいと思います。


並木綾人
「進学を契機とする若者の新たな「ターン」による学びが地域にもたらす影響と可能性」

地域回帰志向、休学、オンライン授業、高等教育、「Q・Oターン」
【メッセージ】
 私の出身である千葉県芝山町周辺には、十分な高等教育機関が揃っていません。そのため、大学進学をするのであればほぼ確実に千葉県を離れます。私は、大学入学時点では地元に貢献できる活動がしたいと思っていました。しかし、一歩離れると愛着がなくなってしまい今ではほとんど帰りません。しかし、心のどこかで田舎が好きで生活したいと考えています。
 こういった人は私だけではないと思います。そういった人たちがどのような思いで生活しているのか、はたまた気持ちが変わって地方に帰るのかを調査したいと考えます。今年度は、学生が地方で活躍する新しい方法を見つけたいです。

菊池彩香
「子どもを通した地域コミュニティづくり」

地域コミュニティ、世代間交流、コミュニティスペース、プレイパーク、子ども
【メッセージ】
 子どもは地域にとっての宝であり大切にされるべき存在です。また、子どもには地域に元気を与えてくれる魅力があります。そこで、子どもを地域で守り育てていくために子どもの居場所支援や放課後支援のあり方を模索し、子どもを核とした地域コミュニティの創出について考えていきたいです。

山下裕香
「多世代交流の中で学ぶこと」

地域コミュニティ、サードプレイス(居場所)、多世代交流
【メッセージ】
 私は地域コミュニティの中にある若者のサードプレイス(居場所)について研究しています。実習では徳島県阿南市でどういった取り組みがなされているのか、市役所やコミュニティ活動をしている方にインタビューを行いました。また、高校生にアンケートをとりどのような居場所が求められているのか調査しました。実際に中学生と遊んだり農業体験をした中でさまざまな人と関わることの楽しさを感じました。こうした体験から若者と他世代の交流も視野に入れサードプレイスについての研究を進めていきたいと考えています。

林直樹
「地域連携の場とは」

公民館、道の駅、住民自治
【メッセージ】
 「住民自治」や「住民主体」ということをキーワードに、この機能と性格を持った施設である“公民館”が地域の人々の生活に根ざし、地域の課題解決を図るための社会教育施設であることに注目し、その役割についての研究を行っていきたいと考えています。
 3年次の地域実習では“道の駅”の住民交流の場としての役割に着目し、道の駅が行っている「地域連携機能」について調査しました。

岡野真志
「農業と存続と地域の維持」

農業、農山村 、食農教育
【メッセージ】
 私達の日常にとって身近な「食べ物」。私は幼い頃から親戚の手伝いや教育的な農業体験等を経験することで、「食べ物」やそれらを作る農業に興味を持ちました。
 「食べ物」を作ることは、我々の生活や地域の産業を支えるだけでなく、環境や文化の維持にも一役買っています。そのため、どのようにしたら地域に農業を残していけるのか考えていきたいと思っています。

石井涼平
「遊休農地の付き合い方」

農業、遊休農地、耕作放棄地、景観
【メッセージ】
 一年次では小布施町で実習を行い、小布施町の素晴らしい景観を味わうことができました。街並みを外れると栗、ブドウ、リンゴなどの農地が広がっています。そんな中、荒れ果てた農地、雑草がたくさん生えている農地を発見!!!そんな悪い遊休農地の付き合い方の調査を行っています。内容としては遊休農地に対しての住民の意識調査や新規就農者、遊休農地の活用など調査しています。

林日向子
「出会いたくなる人に出会う場所」

 若者のコミュニティ形成、演劇による教育、社会教育
【メッセージ】
 社会の中で自己実現をするためには、青年期でのコミュニティづくりや成功体験が大事ではないでしょうか。コミュニティスペースを用いた同年代との交流や様々な文化との出会いを通じて、社会力やコミュニティ形成を学び、自己表現ができるようになるための力を得るために地域ではどのような活動ができるのかを研究しています。そして、若者にとって地元が帰ってきやすい場所になるための方法を模索しています。

長谷川丞
「地域ときめくキャリア教育への挑戦」

地域教育、キャリア教育
【メッセージ】
 高校生のキャリア教育は将来の自分を考える為には大変重要なものだと考えます。 高校生キャリア教育について自分の経験や過去の論文などを踏まえ高校生のための実社会で学ぶ重要性なども含めて行いたいと考えています。

出川真也研究室ゼミナール概要

1.地域創生に関連するテーマ
(1)地域回帰の人材育成
(2)地域継承の教育・学習
(3)学習地域・学習経済と学びあうコミュニティ
(4)社会教育士と異業種/多職種連携教育(InterProfessinal Education, IPE)
(5)Learning Society , Community Development for Adult Education

2.ゼミの紹介や指導方針
今日、地域創生は「地域づくりCommunity Development」から「地域能力開発Community Capacity Building」が志向される時代に入りました。住民に寄り添いながら共に探究し、人と地域の成長発達に寄与できる「地域創生活動家」としての資質を養うため、次の研究・教育活動に取組んでいます。

(1)地域活動・人材育成組織との共同実践研究(学習地域・学習経済・教育経営論)、
(2)地域人材育成を行うための基本技術・評価・方法論研究(成人教育学)、
(3)地域人材育成に関する基礎概念・理論研究(生涯学習・社会教育学)。

当ゼミでは、地域創生に寄与する教育・学習の在り方を探求しながら、地域づくりの実践と研究・教育を架橋する学生の主体的活動を支援していきます。
過年度の研究室がこれまで取り組んできた自分たち自身の研究・実践活動などを振り返りながらゼミを進めます。
※ゼミ合宿は8月下旬~9月上旬で予定。当該年度は房総半島か伊豆半島がフィールドとして設定する見込みです。(コロナ禍の状況による)。

3.教員の専攻
教育学(社会教育・生涯学習論)

4.主な担当授業
地域教育活動論,地域教育活動論シラバス
地域教育政策論, 地域教育政策論シラバス
地域創生学ゼミナール,地域創生学ゼミシラバス
生涯学習施設実習(他学部開講),生涯学習施設実習シラバス

4.参考情報
出川研究室ウェブサイト,  https://degawaken.com/
一般社団法人日本社会教育士会,  https://shakyoshi.org/
全国社会教育職員養成研究連絡協議会,  https://shayosei.org/