巣鴨・池袋・自由が丘・谷中銀座における体験実習・訪問取材

1週目:巣鴨・池袋・自由が丘・谷中銀座における体験実習・訪問取材

1.はじめに

(1)趣旨・概要
大学近傍における地域づくり活動や交流・学習の取組について理解を深めるため、実践者の講義や実践活動に参加すると共に、関連施設への訪問取材を行った。

(2)行程
【9/30(月)】
10:00 大正大学プロダクトスタジオ2集合
10:15 ガイダンス、自己紹介
10:30 チームビルディング①
12:00 休憩
13:30 チームビルディング②
15:00 終了、振り返り、解散
【10/1(火)】
9:30 大正大学プロダクトスタジオ2集合
10:00 ゲスト講師:STUDIO210 宮副様より講話、活動紹介
11:00 南池袋公園内「Racines」、IKE SUNPARK内「eat good place」展示作品の鑑賞
12:00 休憩
13:00 二班に分かれて施設見学(サンシャイン水族館、プラネタリウム「満天」)
15:30 大正大学プロダクトスタジオ2再集合、振り返り、解散
【10/2(水)】
9:30 大正大学プロダクトスタジオ2集合
10:00 ゲスト講師:としま案内人 駒込・巣鴨 萩原様、前原様より講話、活動紹介
12:00 休憩
13:00 まち歩き学習(巣鴨地蔵通り商店街)
14:15 大正大学集合、振り返り
15:00 終了、解散
【10/3(木)】
9:30 大正大学プロダクトスタジオ2集合、移動
10:30 自由が丘駅集合、二班に分かれて施設見学(ラ・ヴィータ自由が丘、マリ・クレール通り)
11:30 休憩、日暮里駅へ各自移動
13:30 まち歩き、見学(谷中銀座、ねんねこ神社、根津神社)
15:00 日暮里駅再集合、移動
15:30 プロダクトスタジオ2再集合、振り返り、解散
【10/4(金)】
10:00 大正大学プロダクトスタジオ2集合
10:15 実習1週目の振り返り、取り組みのまとめ、ゲスト講師へのお礼状の作成
12:00 休憩
13:00 実習2週目の事前調査
15:00 終了、解散

2.学生レポート

「都市部における地域教育イベント」那須 美咲
キーワード:地域教育、イベント
この一週間の中でお話を伺わせていただいたSTUDIO201の活動は非常に興味深いものでした。それは私がインターンでお世話になっている会社が地域教育に関わる仕事をしており、そことつながる部分を感じたからです。特に、都市部ならではの企業やアーティストとのつながりを活かし、地域に根差した活動を展開されている点が印象に残りました。
そして、これらのつながりを通じて、子供たちに非日常体験を提供し、自己肯定感を高める取り組みをされていることを学び、感銘を受けました。今後開催されるイベントにもぜひ足を運び、イベントの作り方やその場の空気感を実際に感じ、学びたいと思います。この経験を基に、今後の自身の活動や関心テーマの方向性を明確にし、さらに深めていきたいと考えております。また、学び得た内容を自身の今後の活動において、地域における教育活動に新たな視点を加えることで、会社の業務にも貢献していければと考えています。
活動の幅を広げるためにも、今回の学びを大切にし、今後、地域に根差した活動を行っていきたいです。

「サンシャイン水族館にて」鶴見 和樹
キーワード:循環型社会、調和、自然、里山
東京研修一週目の二日目に池袋のサンシャイン水族館を訪れた。水族館では子供たちが好奇心の目で様々な魚、両生類、爬虫類といった生き物を観察しているのがよく目に留まった。
様々な経験をすることが出来たが、その中で特に興味を引いたのが、アクアポニックスであった。アクアポニックスとは、魚の養殖と野菜の水耕栽培を同時に行う、循環型農法の一つで、魚に餌を与えると、魚の糞や食べ残しからアンモニアが発生して、バクテリアの働きによってアンモニアが野菜の栄養に変わって野菜を育てられ、かつ水を浄化できるというサイクルである。
このような合理性は非常に重要で、現代はある部分に偏り過ぎて調和がとれていない。例えば、昨今はグローバル化の中、AI、ITといったテクノロジーが飛躍的に発達しているがそれによって身体性が欠如してしまっている。地方は自然が豊かである。そのあたりがとても活かせるのではないかと考えられるが、自分が注目しているのは里山モデルである。里山モデルには人間と自然が調和した暮らしをするために非常に価値のあるモデルで、アクアポニックスのようなサイクルがその中にはある。また、自然自体がある種のサイクルを持っている。以上、サンシャイン水族館にて、非常に貴体験験が出来き、その体験により自分の興味も明確になったと思う。

「巣鴨の歴史」中平 慧
キーワード:歴史的背景
今回の一週間の中で私が最も印象に残った事は、巣鴨の歴史についてです。なぜこの事が印象に残ったのかというと、私はもともと歴史に興味があるものの大政奉還などをおこなった徳川15代将軍である徳川慶喜が巣鴨に住んでいたという事が知らず話を聞いて凄く驚いたからです。今回の実習に参加して、歴史について久しぶりに細かく学ぶ事が出来たので良かったです。
こんなにも、歴史について学んだという事は高校ぶりなどいい勉強になりました。徳川家というものは、主に3つの藩に分かれており徳川慶喜は水戸藩というものは知っていたけれども慶喜が巣鴨に住んでいたという事については知らなかったので今回の事をもう一度振り返り歴史について学んでいこうと思いました。これからは、歴史と地域の関わりについても学ぼうと思いました。

「地域資源の活用方法」西山 流風
キーワード:地域資源、食べ物、人
この一週間で印象に残ったことは、地域資源と食べ物とのかかわりです。特に、巣鴨の街歩きでは、たくさんのその地域にしかない食べ物屋さんを教えてもらい、地域資源としての役割として食べ物の重要性について学ぶことができました。また、自由が丘や谷根千など様々な街を歩いたが、どの町もそこに住んでいる住民たちの人柄が違っていて、優しい人たちや冷たい人たちなど、多種多様な人柄で構成された町がありました。特に巣鴨なんかは、「おばあちゃんの原宿」として親しまれる地域ならではの温かい雰囲気を肌で感じることができました。その町その町の色が出ていてそれを前面に出すことが、地域創生につながるのではと考えました。
STUDIO201では、子供とアーティストを掛け合わせるというユニークな発想に感銘を受け、少し捻ったアイデアを出せる能力も、何かを成し遂げるうえで必要なものなのだと学び得ることができました。
一週間の学びで今後に活かしたいこととしては、視野を広げることです。巣鴨の街歩きで細かいとこまで見るといった経験をさせてもらったので、残りの一週間でも視野を広げ、気になったところは調べながら街歩きをしていきたいと思います。

「都内の観光地としての魅力」有木 昇真
キーワード:観光、海外
今回の一週目の実習で私が学んだことは観光地としての魅力を引き出すにはどのようなところに起因するのかという事です。
巣鴨地蔵通りや自由が丘のラ・ヴィータ、日暮里駅の谷中銀座などを訪れました。
巣鴨地蔵通りはおばあさんの原宿と呼ばれるだけあり、高齢者の方にとても人気でしたが、イメージとは違い若者でも楽しめる出店が多くあり、顧客層を1点に絞っている訳では無いことを知りました。
自由が丘のラ・ヴィータはイタリアの水の都ベネチアの町並みを再現したスポットであり、イタリア気分を味わうことができるという場所でした。しかし、実際はお昼でもお店がやっておらずあまり観光に来る人もいないという状況でした。このことから昔ほど賑わっていないように感じました。
日暮里駅の谷中銀座は猫をコンセプトとした商店街であり、猫をコンセプトとしたお店が多くあることはもちろん、食べ歩きができる出店などもあり、海外からの観光客も多くいたことから知名度のある栄えた商店街だと感じました。
以上のことから観光地として商店街を栄えさせるために必要なことは主に二つだと感じました。一つはターゲット層を絞らず、幅広い年齢層が楽しめる商店街にすること、二つ目は明確なコンセプトを設定することです。観光客を増やすためにどの年齢層でも楽しめ、かつ明確にどのような町であってどんな魅力をもっているかを宣伝することが出来るかがその町が栄える要因となるのではないかと考えました。
今回学んだことは今後地域創生に関わる上で自分の中の指針となると感じました。何をもとに地域創生という活動に目を向けるかを今後も養っていきたいと考えます。

「地域の食」川名 睦希
キーワード:食、食べ歩き、自然環境
この一週間を通して私は様々なことを学んだ。特に、自分の興味・関心のある食についての視点でよく見て回った。そしてこの一週間では、巣鴨、自由が丘、谷根千の大きく分けて3ヶ所をまちあるきした。巣鴨でのまちあるきでは、練り物、肉まん、和菓子、かき氷など高齢者向けかと思いきや若者人気もあるようなものも多かった。
自由が丘には、食べ歩きというものがあったわけではないがご飯屋が他の地域より多いと感じました。どの年代にも刺さりそうで年代を気にせず受け入れるような姿勢が見受けられた。
谷根千では、食べ歩きスポットである「谷中銀座」があり印象に残っているのはジェラートのお店。この時期になるとかぼちゃや胡麻などのジェラートがおすすめだそう。このように食べ歩きによって地域の人との会話や交流ができることに嬉しさが湧きました。
食べ歩きというコンテンツは地域との交流に密接に関係しており、このような交流を忘れず食という文化に触れていきたい。

「観光による地域活性化」松村 省吾
キーワード:観光、地域、歴史、グルメ
この一週間で私の中で最も印象に残ったことはとしま案内人の前原さんの案内人としてのガイダンスです。私の興味分野は「観光」で前原さんの案内人としてガイダンスは私の興味分野に大きく活かせると感じました。前原さんからはガイドをする側として服装に気を付け、説明は短く早く顔を見てガイドすることがポイントだと学びました。服装に注意しなければ参加者と距離が生まれてしまいます。距離を近づけるためには参加者と積極的に話すのが効果的です。参加者と距離が縮まり関係性ができれば次回以降もガイドをするよう依頼に繋がる可能性があります。説明を短く早くすることは要点だけを説明することで内容を参加者に覚えてもらいやすくしています。顔を見ることで参加者の理解度を察することができ場合によってはより詳しく説明ができます。今後私が実習で地域をガイドする際には前原さんから学んだ服装に気を付け、説明は短く早く顔を見てガイドすることを意識して取り組んでいきたいです。

「サンシャイン水族館」竹内 唯
キーワード:人
この一週間の活動の中で、サンシャイン水族館を訪れた。水族館ではただ魚などの生き物を鑑賞するだけでなく、映えを狙った写真を撮っている人も多く見られた。サンシャイン水族館には水槽の形や証明に工夫をすることで、ただ色々な角度で見せ方を変えるだけでなく、写真映えをするような造りにされているものもあった。具体的に私が見つけた工夫をされていたスポットを紹介すると、クラゲの水槽を天井から丸くはみ出すように設置することで、それを見あげた人だけが水槽の照明で綺麗に照らされ、浮いているように見えるというものだ。実際に多くの人がその写真を撮るために順番を待っていたため、映えを狙った水槽の効果はあるのだと実感した。
その他にもペンギンの水槽をマンションが透けて見える位置に配置することで、ペンギンが空を飛んでいるかのように見せるなど、様々な工夫が凝らされていた。サンシャイン水族館は、ただ魚や生き物を観察するだけの場所ではなく、映えを狙うことで多くの人を呼び込む工夫をしているのだと感じた。

「地域独自の魅力」京増 拳
キーワード:観光、自然、食
今回の実習先では、猫の街と称えられる谷根千のエリアに訪れ、「谷中ぎんざ」、「ねこねこ神社」、「根津神社」に訪問しました。散策中に猫の姿をみることはできなかったものの、その地の雰囲気やお店などを楽しむことができました。
谷中ぎんざでは、東京の下町情緒が色濃く残る商店街で、通り沿いに多くのお店が並び、それらは昔ながらの食料品店や雑貨店まで様々な店が集っていることで懐かしい雰囲気を味わうことができました。各エリアでも、事前調査の段階とは異なるほどのお店の多さや賑わい、根津神社であっても想像より大きかったことなどから実際に訪問することで得られることは多くあったと実感することができました。
これらのように、その地独自の環境に触れたり、学んだりすることで今後の学習や活動に活かしたいと考えます。

「地域と猫の関係性」田中 春雅
キーワード:地域、猫、商店街、路地
私は興味・関心がある猫をテーマとして地域と猫の関係性について調べるため谷根千に行き実習を行いました。
私自身猫を飼っており今よりももっと多くの猫に幸せになってもらいたいと考え、東京都内で猫に関わっている地域を調べたところ谷中、根津、千駄木周辺が昔から深く関わっているからです。数年前は谷根千に猫も沢山いたそうですが猫の保護団体の活動が活発的で谷根千全体的に猫の数は少なくなっていました。実際に行ったときは少なかったもののなぜ谷根千に猫が多かったのかを歩いて調べることになりました。実際に歩くと若者よりもある程度年齢の行った大人や高齢者が多く猫は若者を好まないんだなと感じた。商店街を抜けて街を歩くと沢山の路地がありその中には草がたくさん生えている場所や長い年月が経った建物などが沢山ありました。草がある場所ではよく日が当たり猫が食べられるものもたくさんありました。高い建物は少なく猫が上りやすい建物が多く谷根千全体的に猫が好む場所が多かった印象です。
今後この実習を大切にし、野良猫が暮らしやすい場所を提供してしまっては保護団体により自由に暮らせなくなってしまうので野良猫も自由に活動できる施設を造りたいと考えました。

「神社と地域創生」鈴木 啓太
キーワード:町歩き、街並み、神社、歴史、食べ物
今回東京実習の一週目を経て、それぞれの町にはそれぞれの魅力があるということを学んだ。
当たり前のことではあるが、似たような町はあっても、その町にはその町独自の歴史があり、どれも異なっている。その町で有名な食べ物などに人々は目を引かれがちだが、そういった町の中で古くから存在している神社はその町の歴史を知ることができるため、その地域の独自性をアピールするには大事なカギとなるのではないだろうか。若い人には神社よりも遊べる場所や食べ物の方が魅力的に見えると思うが、その町の独自性を伝えるためには上手く歴史を伝えることが必要だと思う。
今回行った日暮里では、猫と神社を結びつけるなどして神社に興味を持ってもらえるような工夫があったため、こういった工夫が地域創生に繋がるのではないかと思った。例えば、神社でその地域で有名な食べ物を販売したり、神社に入りやすくするため多くのお祭りを催したりするなど、まだまだ工夫の余地はあると思った。

「アートはどのように地域創生と結びつくのか」後藤 健介
キーワード:アートと地域創生
わたしは今まで地域創生をするにあたりどのようなイベントを地域で起こせばいいのかわかりませんでした。今回STUDIO201さんのお話しを聞いて自分が思う地域創生の考え方がとても大きく変わりました。アートと地域創生を結びつけるということが今までなかったので新たな発見になりました。Studio201さんは子どもが描いた絵をベースにしてアーティストさんが絵を描くというみんなで作り出すアートでした。一人で描くのではなくみんなで作り出すアートは地域創生に大きく結びつけられるのではないかなと思います。またみんなで作り出すというのは田舎などの他の地域で行えばその地域も栄えていくのではないかなと思いました。
わたしは絵を描くことなど芸術なことは苦手分野ではありますがみんなで絵を描いていけばその地域でチームビルディングのようなことができるのではないかと感じました。これから先わたしが地域実習を行う上STUDIO201さんから聞いた知識や考え方を多く参考にしていきたいです。

「地域に訪れる人の多様性」小川 叶太
キーワード:観光、海外、人
一週目の実習では、池袋や巣鴨、自由が丘に訪れ、様々な施設を見物しました。東京は都心であることもあり、様々な人が訪れていることがわかりました。大正大学に近い巣鴨では、「おばあちゃんの原宿」と親しまれていながらも若者も多く訪れていることがわかりました。また、池袋のサンシャインに訪れた際には主婦層が多く、平日でありながら子ども連れが多かった印象がありました。更に、自由が丘を訪れた際には高齢者と学生が多いと感じられました。
今回訪れた場所に共通点見つけることができました。それは、海外から訪れている人が多いことです。東京観光といえば新宿や渋谷、原宿などをイメージすることが多いでしょう。なぜ、実習で訪れた地域は外国人観光客が多かったのでしょうか。それは、海外にはない文化があるからだと考えられました。サンシャインであればプラネタリウムがあります。日本のプラネタリウムの数は世界第2位であることが関係していると考えられます。また、巣鴨や自由が丘では商店街の食べ歩きや神社、寺などが観光地として栄えていることが関係していると考えられました。
今回の実習で日本や地域独自の見どころについて考え直すことで、海外からの観光客だけでなく、日本人の観光客も増やせていけると考えます。

「まち紹介と地域創生」湯淺 東吾
キーワード:観光、地域愛
今回の一週目の実習で豊島案内人さんと、巣鴨商店街のあるスポットを回りました。徳川慶喜のもともと住んでいた家があった場所、庚申塚にある猿田彦様が祭られている場所、すがもんの場所、巣鴨太陽光パネルの場所など、知っているようで知らない発見がたくさんみつけることができました。自分が、社会教育や、地域の方や大人と関わるきっかけになる地域活動が地域の将来にどう影響していくのか、それが地域愛が生まれるということだと考えます。

3.おわりに

1週目は、大学から比較的近い都市地域を訪問。現地実践家のお話を聞いたり、共同で活動を行うとともに、先進的事例として定評がある地域を訪問した。学生らは自らの身近な地域における意義ある取組実践に対して新たな発見と、共にそれまでのイメージとは異なる現地の実態を目の当たりにして、理解を深めることができたものと考えられる。これにより実習後半に向けての視点の導出を試みることができたと考えられる(文・担当教員:出川真也)。