研究・教育・実践

プロジェクト

農山漁村は多様な「顔」を持っています。農山漁村を元気にするためにはその地域社会の自然・文化・社会的特性や人々の思いを把握し、様々な側面から研究と実践を共に積み重ねていくことが重要です。私たちは一方的な理論構築や丸投げの実践にならない、外部にも開かれた連携協働の取り組みを育んでいくことが大切だと考えます。そこから地域に根ざし外ともつながる新たな価値を生み出していく可能性が生まれるからです。
調査から実践まで、地域に寄り添い外とつなぐ取り組みを通じて、自らも学びながら、活動段階に応じた里づくりのプロセス構築を試みます。里の姿をそれぞれの地域の言葉で外部にも分かる形で表現し、具体的な実践に結びつけて価値や生業や暮らしを創り出すことで、取り組みにかかわる当事者とその将来世代に照準を合わせた活動を目指していきます。 活動の原動力はかかわる人々の情熱と自分のこととして取り組んでいく自立心。私たちは調査・研究活動を通じて地域の熱い人々をサポートしていきます。

研究・調査

-フィールドワーク・聞き書き・現地踏査・郷土資料分析・エスノグラフィ作成等を駆使し、里の未来を開く知見を蓄積する-

自然・文化資源、暮らしと生業、人々の思い等、地域の多様性と特徴を重視。聞き書き、現地踏査、郷土資料の分析、エスノグラフィ作成などを通して、かかわる人々と共に実践活動を見据えた研究調査を行います。
私たちは、学術調査にとどまらず、調査研究の成果が現実的課題にどのように貢献できるのかということを重視します。 そこで地域の実情を捉えるため、地域集落を最小単位とする生態地域圏を基本にしながら、人々の暮らしに密着したフィールドワークを行います。手法は、地元学、聞き書き、各種の環境調査、文献調査、地図分析等で、これらを地域状況に応じて同時並行的に行います。
各調査プロセスにおいて対象地域の人々や団体の協力は必須条件です。むしろ共に学び調べていくという姿勢こそが重要であり、そこから実践につながる着眼点が見出されます。私たちは調査研究そのものが人々をつなぐ地域づくり実践の一つになることを目指しています。
研究成果は報告書にまとめるだけではありません。里づくりや活動プログラムなど次のステップにつなげることができる多様な成果の形を追求していきます。

講演・相談

-問題提起・視点の提供・双方向の学びから新たな視点を追求する-

豊富な事例やデータを紹介しながら実践へのきっかけとなるノウハウや活動段階に応じた展開の方向性を提示し、より深化した活動への誘導を図ります。
地域づくり、保全活動、制度立案、各種プログラムの策定、モデルプロジェクトのフレームづくりなど、農山漁村やかかわる人々や団体の求めに応じながら講演や相談を行っています。教えるのではなく、問題の所在の確認、潜在的価値の再発見と引き出し、新たな活動展開の可能性を追求する視点など、聴講者が自ら考えていくための材料を提示することを重視し、共に学んでいくプロセスを大切にします。活動の中心メンバーと共に現地踏査を元にしてアイディアを出し合い、小さくても実践につながる取り組みへの道筋を検討します。
各地の豊富な取り組み事例から、地域特性や活動メンバーの特徴等をふまえて自分たちに合った里づくりの考え方や進め方について双方向のやり取りを通じて学習を深めていきます。

ワークショップ運営・指導

-多様なアイディア・方向性の確認と合意形成・プロセスの構築・小さな実践の実現-

住民参加型の地域調査や合意形成(取材、聞き書き、ディスカッション、地図の作成、組織体制の指針作り、ヴィジョン作り等)を現場で行い、地域計画の企画やプログラム作成へ向けたワークショップ運営を試みます。
里づくり活動にかかわる諸主体には、時に相反する多様な意見や立場が存在します。また取り組みの中で整理されていない考え方、具象化していない視点、共有化されていない方向性などもあります。こうした地域でよく見られる状況は活動を阻害する原因になります。こうしたマイナスの状況を、皆で様々な案を提起しながら道筋をつけ、小さな実践を行いながら合意形成を促してプラスの状況に転換していくのが私たちの里づくりワークショップが目指すところです。
私たちはワークショップの運営を、現場に寄り添いながらも実際に取り組みを行う諸主体の間で中間的に調整するコーディネーターやファシリテーター機能に徹して行います。ワークショップ後には取り組みの構成メンバー自身も自立してこうした役割を果たせるようなサポートを目指しています。
ワークショップの中では様々なアイディアを集め、集めたものを分析・整理し将来を展望する具体的な道筋を見出していきます。行動指針の策定から小さな実践の実現までを、農山漁村や関係する活動主体の実情に合わせ、それぞれの取り組み段階に順応しながら具体的に提起していきます。

ワークショップのプロセス例
① 導入:背景や課題、前提議論の確認
② 把握:検討材料の収集と確認作業
③ 展開: 材料分析とアイディアの出し合い・意見交換
④ 構築: 方向性の導出とヴィジョンの立案

サポート・コーディネート

-地域の自立と持続性を促進する取り組み支援-

展開されている活動へのサポートや調整、新たな展望を開くためのアイディア提供やネットワーク形成、組織体制の再構築など、各地域・団体の持ち味を高め生かす支援を行います。
既存の活動を育てていくためには、現状の良さと課題の両方をみつめながら、 かかわる複数の主体がそれぞれに納得した方向性を見出す必要があります。この点で新たに始めることとは異なる難しさがあると言えるでしょう。一方で新たに活動を始めることにおいてもどのようにきっかけを創り出せばよいかといった難しさがあると言えます。
いずれの場合でも、農山漁村活動で何よりも重要なのは、最終的に自分たちで決定し自分たちで継続的に行っていくことが出来るようになること。そして取り組みを育て目的を達成するための連携協働体制が構築されることだと考えます。
私たちは活動の核となり、現場で実際に取り組む当事者に寄り添いながら、それぞれの活動展開プロセスに応じたサポートとコーディネートを試みていきます。

コーディネート・サポート例

里地里山保全、環境教育や社会教育プログラム等のコーディネート
農山漁村の地域資源によるコミュニティづくり運営支援

モデルプロジェクトの企画・実施

-最新の状況から一歩前へ前進するための独創性と実践力を育む-

農山漁村の最新の状況に対応する先駆的な取り組みを行うため、行政、企業、地域団体をはじめとした各種主体のモデル事業の企画や運営を行います。
最新の状況に対応したこれからの農山漁村づくりを進めるためには、人材育成や教育カリキュラムの構築、組織や制度形成、そしてミッションの創出と実践といういくつもの道筋が求められます。しかしこれらは現状や過去の分析だけでは導き出すことが出来ません。新機軸を埋め込んだ独創的なプロジェクトを実践しながら検証していく作業が必須となります。 私たちはこれまで困難な一方で意義ある先駆的なモデルプロジェクトを立案し果敢に挑戦してきました。行政、民間財団や基金、地域集落や団体等多様な主体をパートナーにして新たな「里づくり共育活動」に取り組んでいきます。

取り組み例

◎地域づくり関連モデルプロジェクトの実施
・農山漁村における食と農業による地域プログラムづくり
・森里川海を連携したツーリズムと産品開発プロジェクト
◎環境保全活動の実施
・里地里山保全とビオトープづくり
・間伐と間伐材を活用による生態系保全と循環
◎教育プログラムの構築
・地域資源を利用したふるさと学習推進体制の構築
・教育ツーリズムに対応する文化伝承プログラムの形成
・食農教育や環境教育等のカリキュラムづくりや実施体制整備サポート