2022年度出川真也研究室活動(概要)

2022年度研究室活動の概要

2022年度研究室活動(概要)

 当年度は、コロナ禍が収束に向かう中、徐々にフィールド研究や実践活動を再開した。オンライン手法を活用しながら、ウェブサイトの充実化やアプリ開発に取組むなど、各地とネットワークを形成する広範な取組を展開した。

1.調査研究活動

(1)地域づくり団体の組織文化と教育研究
地域づくり団体の組織文化と教育・学習活動の相互影響関係と事業継承メカニズムの解明(令和4年度科学研究費助成事業(科研番号22K02212)研究代表者)として実施着手。
 地域づくり団体の組織文化と教育・学習活動の相互影響関係を分析し、事業継承のメカニズムを明らかにするとともに、継承支援方法を検討することが目的。地域づくり団体の継承活動を対象に、①組織文化の可視化、②教育・学習観や教育・学習動機の可視化、③組織文化と教育・学習の相互影響関係及び事業継承メカニズムの解明、④得られた知見モデルを用いた継承支援方法を試行実践し検証する。
 初年度である当年度は、研究対象地域の初動の取材・調査を行い、組織文化特性にかかわる全体把握を行い、4年間にわたる研究のフレーミングを行った。

(2)参加型教育/実習教育アセスメント研究
 エンロールメント・マネジメント研究所業務として、ロジックモデルを用いた手法開発を継続。新潟青陵大学及び長崎県立大学のフィールドを対象として、研究対象を特定化した。具体的な協定締結に向けた環境整備を行った。

(3)オンライン授業効果の可視化研究
 エンロールメント・マネジメント研究所業務として、オンライン授業の形態別効果分析を2020年度実施の追跡調査として実施。
シラバスをもとに、授業形態(講義、演習、実習など)とオンライン形態(リアルタイム、オンデマンド、課題提示、ハイブリッド)の実施状況を把握し、成績(GPA)および学生授業評価との関連を可視化することで、オンライン授業の効果分析を試みた。

2.教育活動

(1)ゼミ合宿・フィールドワーク
 3・4年生合同の強化合宿を6月に山梨県小菅村にて実施。自然に関わる体験や教育実践の企画ワークショップを行った。
3年生ゼミ合宿を8月上旬、新潟県新潟市、宮城県気仙沼市及び塩竈市浦戸諸島で実施。浦戸諸島では、里山保全・散策道整備に取組む等のボランティア活動を展開した。
 4年生ゼミ合宿を9月に実施。新潟、秋田、宮城の各県を巡回。新潟青陵大学でのリフレクションワークショップにファシリテーターとして協力。宮城県塩竈市浦戸諸島では、3年生ゼミ合宿で着手した里山散策道の整備を引き継ぎ、全線開通を実現した。秋以降のシーズンにおいて、各種ツアー客に利用されている。

(2)実習教育活動(首都圏実習)
 地域創生学科1年生向けの実習プログラムとして、豊島区生涯学習団体であるとしま案内人駒込・巣鴨と連携した活動を実施。まちあるきを軸とした地域づくり学習を行った。
 また、千葉県白井市における市民連携活動への参加、神奈川県相模原市藤野地域におけるトランジション活動への取材・見学などを行った。

(3)生涯学習施設実習(社会教育主事養成課程)
 生涯学習施設実習として、としま案内人駒込・巣鴨に実習学生2名を派遣。レポートをまとめ「地域・まちあるき活動を通じた交流と学習の可能性」と題する報告書を作成した。

(4)NHK地域づくりアーカイブス協力
 NHK地域づくりアーカイブスの授業への利活用を促進。アーカイブスの利活用にかかわる記事の寄稿や関連取材協力を行った。
 NHK地域づくりアーカイブス(「授業で使っています」寄稿記事)

3.地域・社会連携活動、NPO活動

(1)NPO法人里の自然文化共育研究所
 同法人理事長として、子どもゆめ基金助成事業により、里地里山体験学習プログラム設定支援・提供システム「さとまなび」開発に従事。ウェブアプリとして運用を開始した。
 さとまなび, https://www.satoma-navi.com/

(2)浦戸諸島における活動
 浦戸桂島復興連絡協議会、NPO法人里の自然文化共育研究所による浦戸諸島での保全・活用活動を支援。体験活動モデルの構築や子ども活動を支援した。
 うらとまなび,https://uratomanabi.com/

位置図